(はざま)生きて 

【まえがき】

私がこの課題の本を書こうと思ったきっかけは、自分への挑戦であると共に、ここに一つの目的を定め、そこに意志を徹してやり遂げる事によって、自分自身を確かめて見る事でもある。その要を「生きる」「希望」「信仰と心」とした事は、私の恩師の助言もあっての事で「本を書くという事はなかなか難しい」と言われながら、ここ五年が過ぎていった。

今、人と人が心離れして、何を信じて生きていって良いのか判らないほどの殺伐とした社会が拡がり、人と人とが心を逸らし、人という価値すらみじんにも流されてしまう時代である。

そんな中、今の若者達は駄目だと言われている現代に、私の様々な経験を通して、生きるとはどういう事か。また、現代の若者たちに、生きる希望の持てるような一助にでもなればと努めてみる。
 そして我々は、この天と地の間に授かった個々の生命として、信仰の大切さを伝えたいのである。

 生きるという事にも、希望というものにも形はないけど、我々はその未来を想像に思い描くことができるように、信仰もまた、眼には見えないけれど、そこに心を傾けてゆくと潜在意識の中に真実が顕在してくるものだからである。

今、我々はこの難しい時代にあって、幸福というものをどう掴んでゆくべきかを真剣に考えてみるべき時にあると思うのである。
全てが金銭主流で流れてゆく現代、人は何によって満たされ、何をもって人生の価値とするものであるのか。

社会的道徳観が現代社会の中で風化し、人それぞれが千差万別な価値観をもって生きている現代に於いて、「生きる」「希望」「信仰と心」を一つの人生観として、人の心に一条の光明の照らさん事を願うのである。


第1章「生きる」へ

第2章:希 望 第3章:信仰と心